『ストーリーとしての競争戦略』(楠木 健・東洋経済新聞社・2010年5月6日発行)-6

研究員

ビジネス本を中心に、名著を3行くらいで紹介します。今回取り上げたのは、楠木健著『ストーリーとしての競争戦略』です。

所長

著者は、【①利益、②シェア、③成長、④顧客満足、⑤従業員満足、⑥社会貢献、⑦株価(企業価値) 皆さんはこのうちどれが最も大切だと思いますか。】(p.71)と読者に問うているんだ。

研究員

やはり「④顧客満足」が一番だと思いますが、SDGsの観点では「⑤従業員満足」や「⑥社会貢献」も外せないですよね。

所長

普通、そうだね。

研究員

今どき、「①利益」や「②シェア」や「⑦株価」を挙げてしまうと、時代遅れな経営者と見られちゃいますよ。

助手

【競争戦略の考え方では、答えは①の「利益」です。】(p.71)

研究員

ありえない。。「④顧客満足」を疎かにして「①利益」を優先するなんて、ろくでもない企業なのでは。。

助手

【顧客満足とは何でしょうか。「顧客満足の総量」を測る指標であれば、相当に正直な物差しが一つあります。それは利益です。】(p.73)

研究員

それは経営者の”こじつけ”では?

助手

【「利益の最大化が企業の究極のゴールだ」というのは、何も「ゼニ儲けがすべてだ!」という話ではありません。】(p.72)【いたってシンプルな話です。利益が持続的に生み出されていれば、他の大切なことはだいたいなんとかなる。もしくは利益を追求する過程ですでになんとかなっている。】(p.71)

研究員

「①利益」≒「④顧客満足」というわけですか。

所長

次回から、「競争構造」について見ていくよ。まずは【なぜ松井選手は高額所得者になれたのでしょうか。】(p.87)という、スポーツに関係するクイズからだ。

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