研究員
ソニーの業績が発表になりましたね?
まず、前年同期や計画と比較してみよう。
発表のハイライトは、以下の通りでした。
- 売上高は、PS5のロンチと、それに合わせた大型タイトルの発売があった前年同期比で減少
- PS5の今年度の販売は、2,300万台(2021年5月見通し)の計画が、半導体不足等から1,150万台の見通し
- 営業利益は、ソフトの減収の反面、販管費の減少やPS5本体の収益性の改善で、前年同期比で増加
- 通期の見通しは、売上高が1,700億円減少ながら、営業利益は200億円増加
次は、任天堂との比較だ。
項目(2021年4-12月) | ソニー | 任天堂 |
---|---|---|
ハードウェア(台) | 1、040万台 | 1、895万台 |
ソフトウェア(本) | 2億3、270万本 | 1億7、929万本 |
内、自社ソフト比率 | 12.6% | 77.7% |
売上高(円) | 2兆745億円 | 1兆3,202億円 |
前年同期比(%) | +3.9% | ▲6.0% |
営業利益(円) | 2,588億円 | 4,725億円 |
前年同期比(%) | ▲16.5% | ▲9.3% |
営業利益率(%) | 12.5% | 35.8% |
*参考:サブスク会員(人) | 4,800万人(累計) | ー |
ソニーと任天堂の業績比較は上記の通りでした。比較表では「良い」と言えそうな数字の方に、青いアンダーラインを付けています。
ハードウェアは、半導体の不足やコロナ禍による物流の混乱から供給不足であったことから、両プラットフォームともに本来であれば更に伸びていたことが考えられます。
ソフトウェアでは、任天堂の「自社ソフト比率」の高さが顕著でした。自社ソフトの強さが、任天堂の収益力の高さを支えているものと考えられます。一方のソニーも決算発表で「自社制作ゲームソフトウェアの成長を加速し、2025年度までには、その売上を現在の2倍以上に拡大する(業績発表概要スピーチ原稿 p.11)」と明言しました。
最後は、ソニーの今後の好材料についてだ。
- 『Horizon Forbidden West』発売(2022/2/18)
- 『グランツーリスモ7』発売(2022/3/3)
- 『Destiny』開発元のBungie,Inc 買収(2022/1/31 確定契約締結 *関係当局の承認を条件)
Bungie,Inc 買収について、単なるIPの囲い込みや売上の拡大のみならず、「ライブゲームサービスの知見や技術をグループ内に取り込み、プレイステーションスタジオが制作するゲームIPにも活用し、ライブゲームサービスの領域を広げていく(業績発表概要スピーチ原稿 p.11)」と戦略的な意義を説明しています。
2021年4-12月のソニー(ゲーム事業)の業績ハイライトでした。